愛するひとを見送って・・・

パートナーを失ったあなたに前向きに生きるためのサプリメント

思い浮かぶ要因

こんにちは、みやびです。

 

あげまん、さげまんという言葉がありま
すがあまりお上品な言葉でないですよね。

 

それでも敢えて言うなら私は、間違いな
くさげまんなのでしょう。

 

相談出来ない妻、本当の事を言えない妻
だったのですから。

そして、夫の苦しい思いを察知できない
妻でしたから。

 

私は、夫が7歳上だったこともあり、ず
っと夫は、何でも出来る人だと思ってい
ました。

 

実際、彼は、頭が良い人でした。

読書家で名だたる文豪の作品は、殆ど読
んでいたと思います。

 

また、講談社のブルーバックスシリーズ
が好きで博識のある人でした。

娘たちは、幼いころから中学生になって
も夫に勉強を教わっていました。

 

そんな夫でしたから私は、夫は、何でも
出来る人だと尊敬していました。

 

夫は、ある化学雑誌の編集長をしていま
したがその出版社の社長が交代してから
方向性が変わり、何度も夫と衝突して、
リストラされてしまいました。

夫は、頭が良い人でしたが家庭の事情で
大学に行けませんでした。

 

夫がリストラされた頃は、大学生でも就
職が難しいいわゆる就職氷河期の時代で
した。

 

高卒で40歳半ばの男性が就職するの
は、大変な時代だったのです。

 

20社程、履歴書を送りましたが面接ま
で進んだのは、1社のみ。それも落とさ
れてしまいました。

 

中堅出版社の編集長の実績は、通用せ
ず、困っていた時に夫の友人が漬物を
全国のスーパーに卸している会社を紹
介してくれました。

 

夫は、高校を卒業してからずっと、出版
編集の仕事をしてきたのですが漬物をス
ーパーに置いてもらう新規開拓の営業の
仕事は、初めてです。

 

以前と同じ年収で採用されましたがこの
あたりから夫の顔から笑顔が消えていっ
たような気がいたします。

 

夫は、物腰が柔らかで静かなタイプでし
たので意外と営業の成績は、良かったよ
うです。

 

社内の人間関係が合わなかったようだと
後で知りました。

 

近所の方がその漬物工場で働いていたそ
うで後日教えてくれました。

 

夫を紹介してくれた友人と漬物の会社の
部長さんがお知り合いだそうでその方の
懇意で夫は、破格の年収で入社したそう
です。

 

また、それを知っている課長以下の人た
ちにかなり嫌味を言われたり、朝礼で罵
倒されたりしていたそうです。

 

夫は、おとなしい性格ですので人と飲み
に行ってもジョーク等飛ばせるタイプで
ありませんでした。

 

職場の人たちがスナックに飲みに行こう
と誘っても断る夫は、次第に浮いた存在
になったらしいのです。

 

営業から夕方帰ってきてから工場に向か
い、パートさんたちに混ざって漬物を漬
けたりして夜中に帰ってくることもあり
ました。

 

罵倒されているなんて夫は、何も言わな
いのでわかりませんでしたが元気がない
なとは、気づいていました。

 

二年経った頃、夫の昔の同僚だった人か
ら夫に仕事を手伝ってほしいとの依頼が
ありました。

 

その方は、小さな広告会社を経営してい
て従業員数は、40名程でした。

 

そこでデザインの仕事をしてほしいとの
こと。

 

夫は、大喜びでしたし、私もようやく得
意分野の仕事に戻れると心から嬉しかっ
たのを覚えています。

 

ただ、その広告会社の役員になってほし
いといきなりいわれたことが後でどんな
ことが待ち受けているのか私たちには、
想像も出来ませんでした。

 

このお話は、次回にいたします。