愛するひとを見送って・・・

パートナーを失ったあなたに前向きに生きるためのサプリメント

思い浮かぶ要因2

こんにちは、みやびです。

 

前回の続きです。

 

広告会社に転職した夫は、以前の職場の
同僚でであった社長から役員を引き受け
てほしいと言われたそうです。

 

私は、とっさに何故、入社したての夫を
役員にするのかなと思いましたが夫は、
得意のデザインの仕事が出来ると喜んで
おり、受諾したと言いました。

 

それから一年、残業が多いながらも充実
した生活を送っていました。

休日には、社長と夫と、娘たちとキャン
プに出掛けたりしました。

 

そんな日々からどれだけの月日が経った
のかもう忘れてしまいましたがある朝、
夫が深刻な顔で今日、パートを休んでほ
しいと言いました。

 

それからの夫の口から出た言葉の数々に
開いた口が塞がりませんでした。

 

夫の今務めている会社の社長が逃げたと
いうのです。

 

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会社は、実は、自転車操業状態で借り入
れが相当あったらしいが昨日から、社長
と連絡がつかない。

 

それで借り入れ先から役員で保証人の自
分に返済を一気に求められている。

 

取り合えず、主要銀行の返済だけは、明
後日までに終えなくてはならない。

 

お金ないかな・・・。

 

定期は?

とっくに使った。

え?え?

すまない。

実は、家のお金を従業員の給料としてこ
こ数か月会社に貸していた。

 

・・・。

 

仕方がない、保険を解約しよう。

すまない。

もう解約したんだ。

子供の学資保険も。

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頭がぐるぐるしました。

 

そのときの私と夫は、無知もいいとこ
で弁護士に相談するなり、あらゆる方
法はあったのにただただ銀行への返済
の事を考えたのです。

 

要するに家の貯金、株、保険、財産全て
を会社に貸していた夫は、最初から金づ
るとして利用された形です。

 

何故、夫は、社長の言いなりになってし
まったのか。

 

後で聞くと、最初に貸したお金が相当な
額だったらしくて、今が踏ん張り時なの
であと少し貸してほしいと言われ、来月
になると一気に返すからと言われて、貸
し続けてしまったらしいのです。

 

絶対に保証人になってはいけないのに何
故、なってしまったのか。

 

好きな仕事を失いたくなかったのでしょ
う。

 

追い詰められていくうちに思考が停止し
てしまったのかもしれません。

 

私は、夫がそんな状態になっていること
は、全く知りませんでした。

 

何故なら、決まった日にお給料だと振り
込まれていたからです。

 

夫が通帳などを管理していたので私は、
生活費の通帳しか見ていませんでした。

 

結局は、私の実家に頼んでお金を工面
しました。

 

私の母がお金で解決できるならとかな
りの額を貸してくれました。

 

それがあとあと夫を追い詰めたかもし
れません。

 

社長は、あれから一度も現れません。

 

夫が残った社員たちと会社を閉じまし
た。

 

亡くなる5年前の出来事です。

 

一文無しの状態に夫は、私に頭を下げ
ました。

 

私は、もう、私に内緒にしないでほし
い。何でも相談してくださいと言いま
した。

 

何て、馬鹿な夫婦なのだろう、何て間
抜けな夫なのだろうと思うでしょう。

 

人は、追い詰められると視野が狭くな
るのです。

 

私は、一からまたやり直せばよいと楽
天的に考えていました。

 

離婚するとか頭によぎりませんでした。

 

夫は、それからまた仕事探しです。