愛するひとを見送って・・・

パートナーを失ったあなたに前向きに生きるためのサプリメント

経験に学ぶ

こんにちは、みやびです。

 

リビングにいると心地よい風が吹き込
んできて暫しパソコンに置く手を止め
て窓の方に目を移す。

 

庭の木々が一斉に揺れている。

 

友人が東京駅前の丸ビルで結婚祝いの
ランチをプレゼントしてくれるという。

 

イタリアンレストランを予約したとい
うのでワイン好きの友人と楽しい時間
が持てると楽しみにしていた。

 

その友人は、元夫が荼毘に付してお骨
が家に帰ってきてすぐにかけつけてく
れた友人である。

 

そして私にパリオペラ座来日公演のS
席をプレゼントしてくれた友人である。

 

夫の自死により心が砕けていた私にそ
のバレエ鑑賞は、大げさでなく生きる
希望を与えてくれたのだった。

 

その友人からランチの二日前に連絡が
来た。

 

(私から誘ったのに申し訳ないのだけ
どストレスで体調が悪くランチをキャ
ンセルさせてください)

 

友人は、25年前に重いうつ病を患っ
ていたことを咄嗟に思い出した。

 

迷惑かもと思いつつ一人暮らしの友人
のマンションにお弁当を持って行くこ
とを提案してみた。

 

(ありがとう。来てほしい)

 

一昨日、友人に会ってきました。

 

一度、うつ病を経験していると初期症
状がわかってるので昨日早速精神科に
行って薬を貰ったという。

 

急に頭痛がして、肩が恐ろしく重くて
誰かに押されているような感じがする。

 

食べ物を口にしても砂をかじっている
よう。

 

手がもぞもぞして気持ちが悪い。

 

眩暈がする。

 

人の話がきちんと聞けない。

 

聞いていて私は、このまま精神科でな
くて内科等に行ってレントゲンを撮っ
てもどこも病気の症状はないと診断さ
れるだろうと思った。

 

経験しているから早い段階で精神科に
行けたのは、正解だったと思う。

 

私のお土産のわらび餅をじっくりゆっ
くり食べて「美味しい」と言ってくれ
た。

 

亡くなった元夫も自死する半年前から
頭痛がする、体調が悪いと内科に行っ
ていた。

 

MRI検査を受けても異常は見つからな
い。

 

うつ病だったのだと思う。

 

当時の私たちは、鬱の知識が全くなか
った。

 

あのときに例えばガンが見つかってい
たら彼は、痛みの原因がわかり救われ
たのか。

 

闘病することにより、生きる道を選ん
だのか。

 

いまとなっては、それは、わからない。

 

 

どんなに寄り添っているつもりでも魔
の瞬間は、本人にすらわからないのだ
から。

 

私たち自死遺族は、あのときもっと話
を聞くべきだった、気づいてあげるべ
きだったと言うが経験していないこ
とに気づくのは、至難の業。

 

人間対人間の場合、受け止め方も人に
よって真逆な位違う。

 

良かれと思ってしたことが逆に追い詰
めてしまっている時がある。

 

このブログも受け止め方は、千差万別。

 

環境や時間や思考が違えば全く別なも
のとなる。

 

そんな中でも私は、友人に会いたいと
思った。

 

それは、以前のお返しでもなく同情で
もない。

 

私は、経験してるから。

 

苦しいとき、辛いときに話せば少しは
楽になれること。

 

私には、何のアドバイスも出来ない。

 

だけど聞くことはできる。

 

友人は、駅の改札まで送ってくれた。

 

別れる時、無言で手を振りあった。

 

友人も私も泣いていた。

 

彼女とまた美味しいワインを心ゆくま
で飲める日が待ち遠しい。